限定500台のSR400が激アツでかっこいい!!
初心者ライダーのみなさん、こんにちは。ご覧いただきありがとうございます。アヒル隊長です。
今回は、今年激熱となるであろうバイク、SR400の40周年記念限定モデルをぜひみなさんに紹介させていただきたいと思います。
これがね、とにかくかっこよすぎるということで、もうそのかっこよさだけをクローズアップしていきたいと思います。まずはこの画像をご覧ください。
この画像だけですべてが語られているんじゃないかというほど美しい画像ですね。
SR400とは
SR400といえば、YAMAHAの代表とも言えるバイクで、1978年に初代が発売されました。それから39年間たくさんの愛好家に愛されて来たバイクで、特にカスタムの幅広さがファンの心を鷲掴みにしてきまして、よく「元の形がまったくわからない」くらいカスタムされたSRがネット上でもよく見られるバイクであります。
もう一つの特徴として、エンジンスタートがキックのみということで、セルモーターを搭載せず、自分の右足にすべての魂を込めてエンジンをかけるというあのモーションが男心をくすぐるバイクでもあります。
そんなSRですが、2017年に一旦生産が終了しています。その後YAMAHAの公式WEBサイトでも「後継モデルの開発に取組んでおります。(発売時期は未定)」とだけ表記されていましたが、つい先日、突如発売のアナウンスが発表された次第でございます。
発売日は2018年11月22日ということで「いい夫婦」の日に発売されるようです。
そして、今年はSR生誕40周年ということで40thアニバーサリーモデルが限定500台ということで、それがこの画像のバイクということでございます。それでは、くわしくみていきましょう!
細部を見てみよう
まずはタンクです。
なんといってもこのタンクの美しさがこのモデルの一番目を惹くところであるとおもいますが、この塗装はなんと手塗り仕上げということで、職人さんが1台1台手塗で仕上げたというものです。いわば世界に同じものが二つと存在しないものということでございます。カラーもサンバーストということで、先ほどの画像ではギターと並んで映っていましたけども、サンバーストカラーというのはどこかモダンでヴィンテージ感があり、そしてなによりオシャレでございますね。なんと言いますか、何時間眺めても飽きが来ないと言いますか、味のあるデザインでございます。
さてさて、そんなタンクにはYAMAHAの代名詞である3つの音叉を模したエンブレムが威風堂々と存在しております。
素材は真鍮でございまして、これがまた新品でも美しく、時がたつほど味わいが出てくるものであります。
メーターパネルには、タコメーターのところに40th ANNIVERSARY のロゴが入っていますね。走っている時もタコメーターを見るたびにこのロゴが目に入ってニヤついてしまいそうでございます。
シート脇にも特別なエンブレムが備わっておりまして、これは電鋳工法によって制作されたものでございます。
ここにも40th ANNIVERSARYの刻印が施されていることに加えて、400cc単気筒エンジンをアピールした「ザ ビッグ シングル」の文字があります。
シートは皮革調シートを採用しておりまして、このシートの存在がこの40周年モデルをグッと締めてくれているような、まるで中世のヨーロッパで生産されたかのようなモダンなスタイルを表現してくれているような気がします。
もちろんキックスタート
忘れてはいけないのがSRといえばキックスタート。敢えてセルモーターを搭載せず、キックのみにこだわり続けてきたSRの魂を今回のモデルでも受け継がれています。
ただ、初心者の方はこのキックスタートが難しいというイメージがあると思います。「何度踏んでもエンジンがかからない」というような話を聞いたこともあるかもしれませんが、それは一昔前の話です。今は燃料の供給方式がFIなので「山に行ったらエンジンがかからない」とか「雨が降ったらかからない」とかそういうことはありません。
ちなみに、左グリップの下に「デコンプレバー」というものが装備されていまして、これを操作することでキックスタートがやりやすくなるそうです。なのでキックレバーに弾かれて右すねには常に青あざがあるというようなことはありませんね。
そのかっこよさを堪能しよう
さて、そんなSR400 40周年記念モデルでございますが、これに関しては個人的にはもうスペックとかは正直どうでもいいような気がします。とにかくこのカッコよさ、美しさを堪能できればそれで満足です。
公式HPにはこの写真しかありませんが、これは絶対どんなシチュエーションでもカッコイイと僕は思います。なので色んな場面にこのSRを合成してみたのでご覧ください。
これは夜の路地ですね。完全にカッコイイですね。
こちらは砂漠のオアシスでしょうか。殺風景な背景にも自然に溶け込んでいますね。
こちらは海外のカフェのような場所ですね。海外だとよく似合いますね。
かと思えば富士山をバックにSR。日本一の高さを誇る富士山にもまったく引けをとらないこの佇まいはさすがとしか言いようがありませんね。
こちらは海をバックに。穏やかな波の音とビッグシングルのエンジン音が素敵なハーモニーを奏でてくれそうですね。
野菜売り場とSR。このバイクで八百屋で買い物なんてのもなかなかオシャレでございますね。
ラクダとSR。古来よりエジプト人の足として人間と共存してきた、いわば乗り物界の大先輩を前にしても、SRの存在感は全く負けてはいませんね。
川辺にSR。このバイクで大自然に出かけたら大声で歌いたくなるかもしれませんね。
もはやSRじゃなくてもいい画像ですね。なんのバイクでもこんな画像になると思いますが、まあそれでも夕日とSRもよく似合いますね。
おいおいお前それは一体どないしたん?
お前ん家 事故物件って聞いてたけど、そういうことじゃないと思うぞ 俺は。
だからどうしたお前は
早まるなって!!
ママー知らないSRが付いてくるー!
あーびっくりしたSRか
うぅわ。ここに留めといた私のSR盗まれたわ。
やっば。なんかめっちゃかっこええバイク盗んだったwww
気になるお値段は!?
さてさて、少々おふざけも過ぎましたが、SR400 40周年記念モデルの紹介でございました。
気になるお値段の方でございますが、
本体価格は消費税含めまして691,200円でございます。おそらく乗り出し価格は70万円後半になってくると思われますが、500台限定と言われたらこの値段でも文句なしかなと個人的には思います。
ちなみに、限定モデルではなく通常のSR400も同時発売でございまして、
こちらの方は税込み572,400円ということでございます。
なにはともあれ限定500台ということで、多分これは早い者勝ちではなく抽選になるのではないかと思います。
もちろん、往年のSRファンの方は大注目だと思いますし、免許を取ったばかりだという初心者の方でも大変乗りやすい優しいバイクであるのでこれからバイクの購入を考えている方は、ぜひとも、この1台を選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
ちなみにですが、僕は女性の方でSR乗ってるとめちゃくちゃかっこいいと思いますね。僕の友人にも昔SRに乗っていたという女性がいらっしゃいますが、何年経ってもかっこいい人のままでございます。
まさに、老若男女問わず皆に愛されるSR400、今回はそんなバイクの紹介でございました。
それでは、今回はここまでとしたいと思います。それでは、さよなら。
あのスーパーカブから125ccが登場!!
初心者ライダーのみなさんこんにちは。アヒル隊長です。
今回は、先日発売が決定した新しいスーパーカブ、その名も「スーパーカブC125」についての紹介や、従来の「スーパーカブ110」との違い、そしてC125は果たして「買い」なバイクなのかなど、僕の主観でお話させていただきたいと思います。
いろいろなスーパーカブ
スーパーカブと言えば、従来のラインナップで言うと50と110の2種です。昔は100などもあったんですけど今は主にこの2種です。
これから派生してスーパーカブPROとか
クロスカブなどもありますね。
新しいスーパーカブ
そんなスーパーカブに新しい仲間が加わりました。その名も「スーパーカブC125」。先日メーカーであるHONDAさんから発表されました。
そうそう、先に言っておきますが、スーパーカブはAT限定小型二輪免許で取得することが可能です。なので、今年(2018年)7月から施行されたAT限定小型二輪の免許取得期間短縮という法改正に合わせるような形で、この新カブが発売されることになりましたね。法改正については別の動画で詳しく紹介していますので、気になる方は是非ご覧ください。
C125のスタイル
ではスタイルを見て行きましょう。
これがスーパーカブC125の全体像です。オシャレですね。かっこいいと言いましょうかかわいいと言いましょうか。
ビジネスシーンよりもファッションとしての価値が非常に高いのではないかと僕は思います。ただ気になったのは、カラーバリエーションはこの色だけなんですね。(パールニルタバブルー)。個人的には赤や黄色、ライトグリーンなんてあったら選択肢も増えてよかったんじゃないかと思うところではありますが、皆さんはどう思いますか?
とはいえこのシートの赤はいいですね。
全体的に青い車体に赤の差し色がとてもいい印象を受けます。レッグシールドが白なので、青・赤・白の組み合わせ、「トリ・コロールカラー」と言われるHONDAがよく用いる有名な組み合わせですね。FTRとかにも使われている配色です。男子はこの配色が何気に好きですよね。ガンダムとかフランスの国旗とかを連想させます。
シート形状ですが、これは座り心地と足着き性に配慮した設計ということで、長時間のライディングにも適したシートとなっているのではないかと思います。
こちらはハンドルのアップです。
これは初代「スーパーカブC100」から継承された形だそうで、はばたく鳥の翼をモチーフとされています。画像のフクロウ(元はカモメのイメージだそうです)なんかは羽の形とかもそっくりですし、顔がヘッドライトみたいでとてもそっくりだと思います。そういえばHONDAのロゴマークも翼の形ですね。
ロゴマークと言えば、C125にはレッグシールドにロゴマークのワンポイントが施されています。こういう細かなポイントなんかもワンランク上の高級感が漂っていて僕はとても好きです。
こまかなポイント
次はメーター周りを見てみましょう。
左上は110と50の共通のメーターですけども、それと比べてもワンランクも2ランクも上の雰囲気がありますね。
クロームメッキが施されているメーターには外側にアナログのスピードメーター、内側には大きな液晶があります。ここには何が表示されるのかっていうのが気になるところなんですけど、HONDAのHPには「必要な情報がスムーズに読み取れる」としか書いていませんでした。まあTripやODOは当然として、時計や燃費なんかもここに表示されるのではないかと思います。
ここからはその他の装備品の紹介となりますけども、まずはこれを紹介せずにはいられません。
これはエンジンキーですけど、実はこれスマートキーです。
これを持っておくだけでエンジンスタートとか、ハンドルロック、さらにはシートのロック解除操作もできるそうです。あと、多分どっかのボタンを押すんだと思うんですけど、ウインカーが点滅して自分のカブの位置を知らせてくれる機能も搭載しているそうです。
続いてはタイヤ周りです。
タイヤがチューブレスタイヤになりました。
要するに、110は自転車のようにタイヤの内部にチューブが入っていたんですけども、C125になると車のタイヤのようにチューブレスタイヤになりました。
これはホイールの形状をみてもらうとわかるんですけども、110の方はホイールがスポーク式ですけども、C125はスポークレスになってます。これによってチューブレスタイヤの使用が可能となったわけなんですね。
それと、フロントブレーキがドラム式からディスク式になりました。ブレーキというのはリアよりもフロントの方が大事なので、ディスク式を採用することでより強く、より繊細に操作することができますし、メンテナンス性も向上しましたね。
あとはタンデムステップが付きましたね。
こういうところがビジネス用途よりも趣味の乗り物として意識して作ったんではないかということが伺えますね。
ただし、リアシートは無くリアキャリアとなっておりますので、そのままではタンデムはできないので何らかの加工は必要となっております。
110とC125を比較してみよう
性能の比較
では、ここからは110と125の比較といきましょう。デザイン的にはぱっと見てもC125の方がC125とわかるような感じになっていますね。
排気量は110の方が109cc、C125の方が124ccということで、これはまあ車名の数字より実際の排気量は若干低めというのは一般的なところでございます。
続いてエンジンの性能の比較といきます。
まずは最高出力。110の方が8.0馬力ということで、お馬さん8頭分のパワーが7500回転の時に発揮されるという仕様でございます。
C125ではこれが9.7馬力になります。お馬さん9.7頭分ですね。こちらも回転数は7500回転ということで、これは単純に1.7馬力分のパワーアップということで最高速度があがったよ!ってことが言えると思います。
お次は最大トルクです。トルクについては加速力に大きく関係してきます。
110の方は8.5Nm/5500rpmですね。C125は10Nmということで大きくUPしています。しかも、回転数は5000回転と下がっていますので、これは低速域でのトルクがUPしているということなので、比較すると加速性能としてはC125の方が大きくUPしているといえます。
次は車重を見てみましょう。
110の方は100kgを切って99kg。変わってC125の方は110kgということで若干のおデブちゃんとなっております。でもこれはエンジンのパワーが増した分、エンジン自体も重くなりますし、車体の剛性なんかも強くしないといけませんので重量の増加は否めない所となっています。
続いて、ちょっと変速比を見てみたいと思います。
変速比とは何ぞやというところについては詳しく説明すると超長くなりますので、今回は数値だけを見てもらいたいのですが、全体的には110とC125で大差はありません。
ただ、1速の時の変速比がC125の方が若干低めですね。これは、例えば発進時の加速についてはちょっとだけ遅めになるような設定となります。ただ先ほど見たように、エンジンのトルクが強くなっていますのであまり気するほどではないのかもしれません。
エンジンの性能についてまとめると、C125の方が110よりも最高速度が高く、加速性能も向上した設計となってはいますが、そもそも車重が11kgも重いので加速としてはそこまでの期待は持てないのかなと個人的には思います。
最高速度は間違いなく上がっています。まあエンジンの性能とはいいますけども、カブというバイク自体が速さを求めるようなバイクではなく、実用性というところを重視したバイクなのであまり気にすることもないのではないかと思います。
さて、実用性という視点からの性能面で欠かせないのが燃費ですね。
実は、燃費はC125になると7kmも向上しています。
ただし、燃費の計測はかなり限定的な条件のもとで測っていますのであてにはならないというか、カタログ値なんて絶対出ないというのはみなさんわかっていることだと思います。特にカブというバイクはビジネスモデルという位置付けなので街中走行がメインとなってくると思いますので、この辺はまあ110もC125も実用的には同等程度の燃費になるのではないかと思います。
ただカブと言えば高燃費!ここは125ccにパワーアップしても相変わらず驚異的な燃費性能を維持してくるところはさすがと言ったところでしょうか。
見た目の比較
ここからは車体、見た目の部分について比べて行きたいと思います。上の画面の三角図はC125のものです。
110と比較すると、全長が55mm UP、全幅が25mm UP、全高については40mmのダウンということで、若干 低重心寄りの設計に変わったと言えますね。
バイクは重心が低いほど安定する乗り物なので、僕はこの低重心化はとてもいい印象を受けました。
気になるお値段は!?
さてさて、最後に気になるお値段の比較といきましょう!
まずはスーパーカブ110の方、お値段は275,400円。
この価格を基準としてC125のお値段を見てみましょう。はい399,600円です。110との差額は約12万となりますね。まあこれを高いと思うか安いと思うかは人それぞれだと思うんですけど、僕はですね、ちょーっと高いかなーっていう印象を受けました。
ただですね、それはカブをビジネス用途で見ると、という意味で。です。実際にこのC125はですね、趣味としてのバイクというのがコンセプトの大半を占めるという印象をうけましたので、そういう意味でいうと妥当というかですね、「どうしてもこのc125が欲しい」という方にとっては、決して手が出ない額ではないと思います。
C125は 果たして「買い」なのか
はい、以上が僕なりのスーパーカブC125の紹介と、スーパーカブ110との比較でございました。僕なりの考え方ですけど、このC125は果たして「買い」かどうかでいうと
「買い」かなと思います。やはり趣味の乗り物ですので、お金に余裕があるのなら高くていい物を買うっていうのはロマンがありますよね。
趣味のものっていうのは所有感というものを大切にしてきたいですし、自己満足というものも非常に大切にしていきたいとも思っています。特に、このC125を買って、カブ仲間に見せた時、
「えっお前それ買ったん!?マジマジ?見せて見せて!うわめっちゃええやんなんぼしたん?」って言われた瞬間って、最高のひと時じゃないですか?
まあそういう体験をね、このC125ってさせてくれるんじゃないかなと思います。ただ、僕はお金がないので買えませんけども。。
それでは、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。
最後までありがとうございました。
警察庁が正式発表!AT小型二輪免許時間短縮による効果とは?
ご覧いただきありがとうございます。
アヒル隊長です。
さて、今回は2018年5月31日に警察庁から発表されたAT小型二輪免許の取得に要する最低日数の短縮についてのお話です。正式な法改正ということで、これによる今後の展望など思うことを語ってみたいと思います。
また、2017年8月には下の動画を公開しました。
これは、普通免許(つまり車の免許)で125ccまでのバイク免許が付帯するようになるかもしれないという噂の真偽を確かめるため、言い出しっぺの経済産業省に問い合わせた結果と、それをもとに今後の展望を自分なりに考えたことを動画にしたものです。
この中に経産省からの回答全文を載せていますので気になる方はご覧ください。
1.警察庁からの発表内容
警察庁からの発表を簡潔に表現すると、
AT限定小型自動二輪免許の取得可能期間を最短3日から最短2日に短縮する
というものです。
施行予定日は2018年7月から。
ただし、これは単純に授業数を削減するのではなく、1日に受けられる授業を最大3時間から4時間にするというものです。
普通免許保持者であれば、AT小型二輪を取得するために必要な技能教習は
第1段階:3時間
第2段階:5時間
計8時間です。
今までは1日の最大教習時間が3時間までだったので、どうしても3日以上かかっていた技能教習ですが、最大4時間となることでぴったり2日で終えるということになりました。
これは、土日しか休みのないサラリーマンにはうれしい改正となったような気がします。
ちなみに、これは今の所「予定」ではありますが、すでに国家公安委員会にて内容が確定しておりますのであとは手続きのみということで確実に改正されると言っても過言ではないでしょう。
2.法改正までの流れ
さて、この法改正までの流れの源流は「関係団体からの働きかけ」です。
これは、警察庁からも公表されている事実で、その団体名は明記されてはいませんが少なくとも民間からの意見が汲み取られた形となります。
実は、「バイクの免許をもっと取りやすくしてほしい」という要望は何年も前から出されており、それが今回やっと実を結んだのです。
まさに民主主義国らしい経緯をたどって改正される今回の免許制度ですが、警察庁は更に民主主義らしい取り組みとして、今回の改正についてパブリックコメントを募集しています。
パブリックコメントとは、法改正について広く国民の意見を収集することにより、それらをよく吟味して改正まで繋げるという手法です。
パブリックコメントの内容↓
3.改正による効果
さて、改正による効果ですが、これは僕の個人的な意見として「取りやすくなったようでそうでもない」と思います。
そもそも、1日4時間ということで、土日に詰め込んで技能教習を終了させたとしても、卒業検定は後日受験しなければいけません。
翌日の月曜日に有給を使って受けるのであればそれでもいいかもしれませんが、それだと旧制度でも可能(土日6時間、月曜2時間+卒検)です。
また、土日に8時間で教習を終わらせ、翌週土曜日に卒検を受けるにしても、一週間前の授業内容をいきなり卒検で活かすなんて現実的ではないような気がするからです。
ということで、僕はこの改正に反対なのかというとそうではなく、むしろ大歓迎だと思っています。
それは、まったく「別の効果」が今回の改正にはあるからです。
改正内容の実用性はどうあれ、これは一つの「緩和」です。この緩和が国内の民間団体から要望され、それが改正まで繋がったという事実に大きな意味があると思うのです。
元をたどれば、バイクの免許というものは最初は車の免許に付帯していました。それも排気量など関係なくです。
それが、いつしか車の免許とは別に分類され、そして中型/大型に分けられ、そして大型に関しては合格率たったの2%と言われるほど国内で最も難しい試験にされてしまうという何とも不遇な歴史を歩んできました。
何度も何度もユーザーにとって不利な規制に泣かされてきたバイクの免許ですが、「緩和」されたのは久しぶりです。
過去に大型二輪が一発試験から教習所で取得できるようになったことが最も大きな「緩和」だったと思いますが、これは海外メーカーのバイクが日本で売れないことによる海外からの圧力によるものですが、今回の「緩和」は国内発祥です。
これって、歴史的に見ても大きな前進であるように思います。
これを機に、さらなる規制緩和が受け入れられ、バイク市場が盛り上がってくることを願って止みません。本当に大きな意味があると思います。
4.AT小型二輪の紹介
では、AT小型二輪って一体どんな乗り物?ということですが、簡単にいうと50~149ccのスクーターです。
ATですから、クラッチ操作のないものがそれにあたります。
そんなAT小型二輪をいくつか紹介したいと思います。
まずはSUZUKIのアドレス125
「通勤最速」の名を欲しいままにする名車。
価格もお手頃で、コンパクトな車体に力強いエンジンが快適な通勤をもたらします。
加速が速いため大抵の乗用車は置き去りにして先頭を走ることができます。
次はYAMAHAのシグナスX SRです。
YAMAHAらしく、何ともスポーティーかつオシャレにまとめられた1台。
好戦的なスタイルと他に類を見ないカラーリングの採用で、他人と被りたくないという人にはお勧めの1台です。お値段はアドレスよりも高くなります。
次はHONDAのPCX
お値段は上記の2台より高くなりますが、大きな車体は高い安定性を有し、堂々としていながらもスタイリッシュな外観。カスタムパーツの豊富さも相まって若い世代からシニアまでとても人気があり、よく売れているバイクです。
忘れてはいけないこのバイク
みなさんご存知、業務用バイク会のレジェンド「スーパーカブ」です。
このバイクは、シフトチェンジはありますがクラッチレバーが無いので「AT」として分類されています。
走りよし・燃費よし・故障なし の3拍子が揃ったこのバイクは、発売当初からの世界販売累計台数が1億台を突破するという永遠の名車でございます。
郵便配達や爺ちゃんの足としてのイメージが強いカブですが、こんなのもあります。
特徴的なレッグガードを取っ払い、大きな丸めのライトを強調するかのようなガードを設け、カラーリングやロゴの配置などがとてもオシャレに施された「クロスカブ」です。
若い世代にターゲットが絞られ、田舎から都会までよく似合う外装に仕上がっています。
以上、AT小型二輪をいくつか紹介しましたが「世界の名車」はこんなところに居たんですね。
5.まとめ
僕自身は今回の改正で「免許が取りやすくなる」とは到底思えません。
しかし、「緩和」されるという歴史的第1歩としては十分な効果がもたらされるのではないかと思います。
民間→経済産業省→警察庁→公安委員会 という、民間→国の流れを経て改正まで来たという事実は、バイク業界のみならず国の未来としても小さな希望の光となるのではないでしょうか。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました
任意保険に入っていないバカは居ますか?
初心者ライダーのみなさんこんにちは。
そういえば申し遅れましたが僕は最近「アヒル隊長」と名乗っております。
それはYoutubeのチャンネル登録者数が5000人を突破した記念の企画で視聴者の方から名前を募集した結果決まった名前でございます。
さてさて、今回は任意保険についてのお話。
↓の動画で熱く語らせていただきました。
任意保険の重要性
任意保険。
名前の通り自分の意志によって加入するかしないかを決められる、決して義務ではない保険です。
これとは逆に、公道を走るナンバーの付いた乗り物(原付、バイク、車など)が必ず加入しなければいけないのが自賠責保険となります。入らないと捕まりますし、車検が通りません。
自賠責保険で補償される内容として、相手を死亡させた場合は上限3000万円。後遺障害が残るようなケガをさせた場合は上限4000万円となります。
人の命を金額で表すことなど到底不可能なことではありますが、相手を死亡させた場合は大抵億を超えます。
そこで、自賠責では賄いきれない補償額を任意保険でカバーしようというものです。
補償内容のカスタマイズ
任意保険の特徴は、様々なオプション(特約)があることです。
代表的なところでは
・対人補償の限度額
・対物補償の限度額
・車両保険
細かい所を入れるとここでは書ききれないし、保険会社のHPを見た方がよっぽどいいので割愛しますが、僕がここで強く言いたいのは
対人・対物補償は「無制限に入れ!!」
ということです。
先程も言ったように事故で相手を死亡させると億を超えます。
かと言ってじゃあ上限1億でいいのかというとそうではありません。
サラリーマンの平均生涯収入が2億円といわれていますので未来ある若者に対しては2億円以上の補償額となりますし、子供に対してはそれ以上となるでしょう。
結局、人の命に値段などありはしないので天井知らずと思ってください。
あと、対物補償です。最初に思うのは相手の「車」に対しての補償だと思いますが、例えば「ベントレー」というメーカーを知っていますか?
このメーカーの車は2000万くらいします。ロールスロイスだと4000万以上、他にランボルギーニなど高い車を挙げればキリがありませんが、車だけで考えてもあのベンツやBMWなど「高級車」と呼ばれる車をはるかに超える高い車が存在します。
では、「対物」なので車だけの物損を考えていてはいけませんね。
バスや電車、建物などあらゆる物に対しての物損を考えなければいけません。
また、玉突き事故など複数台が絡む事故など、これも事故の内容によっては上限なんてものは存在しないものと考えましょう。
ということで「対人・対物は無制限」にしましょうということです。
ちなみに、当然ですが任意保険に加入していなければこれらの賠償金を自腹で払うことになります。賠償金を支払うためだけに生きることになります。
想像するだけで鳥肌が立つほど怖いことです。
任意保険に入っていないバカに衝突された話
とある夜のことでした。
時刻は午後11時頃。
僕は車を運転していました。目の前の信号が青に変わったので交差点に進入。
右方向の遠くから1台の車が走ってきていましたが、相手は赤信号なので「止まるだろう」と思って僕は進みました。これが本当に良くなかったのですが、まあそれはそれとして・・・。(だろう運転はダメですよ)
さて、相手は赤信号にもかかわらずまったく速度を落とさず僕の車の右前方に衝突!
事故です。
運転していたのは見事なアフロヘアーの19歳女子でした。女子力は0%でした。
とりあえず僕は警察と自分の保険会社の方を呼びました。
それから事故の詳細などの話になるのですが、当初アフロは自分の非を認め「ごめんなさい」と言っていました。まあ信号無視なので過失割合としてはこちらが断然有利です。
その日は互いの連絡先等を交換してさよならしたのですが、アフロは任意保険に入っていなかったんですね。
で、翌日ですよ。
アフロはアフロなりに中途半端な知恵を吹き込まれたのか電話がかかってきましてね、「私、あの時自分が青信号だったと思うんです。」
なにをぬかしやがる!?
やられましたね。
夜中で事故の目撃者も居なかったのでもう当人たちの言い分しかないんですね。
こちらの保険会社の方も「裁判しかないですね」と。それでもおそらく過失割合は50:50になるだろうとのこと。
まあアフロとしてはこちらの車の修理代をフルで支払うよりは全然マシ・・・という考えだったのでしょう。ところが裁判となると弁護士費用が別途発生するわけで、それは結局車の修理代よりも高いわけで、おそらくアフロにはその金が無かったのでしょう。なんと、奴は行方をくらましました。おいおい。
あんなブロッコリー星人どこに行っても見つかりそうですがしかし見つからない。
で、プライバシー保護法かなんかの縛りで、未成年といえどその親にも「お宅の娘さん事故を起こして逃げたんですけどどこにいるか知りませんか?」ってことを言えないらしいんです。
逃げた者勝ちな世の中でとても腹が立ちますが、物損(民事)だけなので警察も動けず。
・・・という話なんですが、もしあのアフロが任意保険に入っていれば結果は違っていたと思うんです。逃げなくてもいいし。あのやろう、俺の動画を観て速攻で謝りに来い。
さて、もしあの事故で僕が死んでいたり後遺症が残っていたとしたら、絶対に逃げられません。そしてアフロはその後の人生を棒に振っていたことでしょう。
任意保険に入っていない奴が絡む事故は被害者も加害者も不幸になります。
絶対に任意保険に入ってください!
勘違いしてはいけないこと
任意保険にさえ入っていれば、事故を起こしても平気なのでしょうか?
ここを勘違いしている人が時々居るのですが、保険会社が補償してくれるのはあくまで「お金」に絡むことだけです。
なので、事故を起こしてもその後の処理をすべて保険会社がやってくれると思ったら大間違いですよ。
事故を起こしたら、まずは事故直後の対応が必要です。
後日、実況検分には自分自身が行かなければいけません。
そしてなにより重要なのが被害者側へのケアです。
ケガをしたのであればお見舞いに出向き、何度も何度も謝って誠心誠意尽くさなければいけません。人間として当然です。謝ることしかできないかもしれませんが、それでも「なんでもやります」という意志を示しましょう。
「ただし、お金に関することだけは保険会社の方とお話してください」
ということなんですね。
お金以外のこと。態度や誠意に関しては保険会社の人に頼っても何も解決しません。
これをよくわかっていないと被害者側の気が収まらず、何年も示談が成立せずにずるずると長引くことになります。
事故を起こしたのは自分なのですから、そこから目を背けずちゃんと向き合って示談まで進める努力をしましょう。
まとめ
任意保険の重要性とその意味を理解できましたか?
お金だけが世のすべてではありませんが、お金でしか解決できない問題もあるのです。そしてそういう場合のほとんどは恐ろしく高額なものなのです。
任意保険とは、被害者のためにあなたがしてあげられる「形のある」補償です。
お金と誠意を一つにして全力で被害者をケアすることが加害者の義務です。
被害者の人生、そして加害者の人生、それらを考えれば任意保険に加入しないなどという選択肢はないハズです。
改めて、その重要性を再認識しましょう。
その他のオススメ動画↓
バイク上達の第一歩 ~セルフステアを知ろう~
セルフステアとは
バイクや自転車が曲がる時、車体(後輪)の傾きに対して前輪が適正な向きとなるように自動でハンドルが切れて舵角をつけること。
です。
下の動画はこの記事を動画でまとめたものです。
おそらく記事を読むよりわかりやすいと思います。
自転車でもバイクでも、ハンドルには触れずに車体だけを押していきます。
で、途中で車体を左(向かって右)に傾けると・・・・
なんと、勝手にハンドルが左に切れるではないですか!
これがセルフステアです。
これを今から詳しく解説していきますね。
バイクは傾くことで曲がる
皆さんも十分わかっていることと思いますが、バイクという乗り物は傾くことで曲がります。
垂直なら真っ直ぐ、少し傾けると少し曲がる。大きく傾けると大きく曲がる。ということは皆さんの体験、または想像通りです。
さて、僕は今回このような模型を用意しました。
これらの3つの紙ロールがどのような転がり方をするのか見てみましょう。
直立の模型ロールは真っ直ぐ転がるだけなのでここでは割愛します。
では、少し傾けた状態を模したロールを転がすと
はい。円弧を描きます。(動きは動画をご覧ください)
次に、大きく傾斜させたロールを転がします。
これも円弧を描きます。
どちらも円弧を描くように転がりますが、その旋回半径が違います。
大きく傾ける方が小さな円弧を描くので、急カーブほどバイクをより傾けなければならないことがわかります。
傾けるだけでは曲がらない
さて、バイクは傾ければ曲がるのですから、舵角なんてつけなくても曲がるんじゃないかと思いませんか?
これは、ハンドルを固定して舵角が付かないようにした自転車です。
この自転車を傾けたまま押します。
傾けるだけで曲がるのであれば自転車は向かって左に曲がるはずです。
ご覧の通り、曲がらないんです。
ハンドルを固定すると、いくら傾けてもひたすら真っ直ぐに進みます。
前輪も後輪も傾いているわけですから、円弧を描くように曲がっていくはずですよね?
実は、前輪も後輪もそれぞれのタイヤは曲がろうとはしているのです。
こんな風に。
でもこれでは曲がれないのです。
前輪も後輪も自身の傾きに合わせた自分勝手な旋回を描こうとしているので、その軌道線上で必ず交差する箇所が出てきます。(黄色の円)
実際には、バイクという車体に固定された前輪と後輪なのでこういう動きは物理的に不可能となります。
なので互いの軌道を打ち消し合って真っ直ぐにしか進まなくなります。
では、前輪と後輪がそれぞれどのような円を描くと曲がるようになるのでしょうか。
曲がるための舵角
これは、自転車を右に傾けながら押した時の俯瞰画像です。
ハンドルは固定していませんので自転車の傾きに合わせて勝手に舵角がついています。
これは動画で見て頂くとよくわかりますが、実に綺麗な円を描いてその場を一周します。
画像ではわかりにくくて本当に恐縮なのですが、前輪と後輪はある法則性を持って円を描いています。
これは後輪の軌道です。
車体の傾きによって後輪の旋回半径が決まります。
これを基準としてハンドルが勝手に舵角をつけてもう一つの円を描きます。
赤い円が前輪の旋回軌道です。
後輪の青い軌道を基準として、その一回り外を旋回しています。赤と青の円は互いに交差しません。
このように、円弧が交差しない2つの円を何というかご存知ですか?
「同心円」です。
バイクという乗り物は、曲がるために傾けた時、前輪と後輪が同心円の軌道を描くことで初めてその傾きに見合ったカーブを走行できるのです。
言い換えると、
後輪の傾きに対して前輪の舵角が適切な角度でないと思った通りに曲がれない
ということなのです。
どうやってそんな舵角をつけるの?
後輪の軌道に対して前輪が同心円を描く舵角をつけるとバイクは曲がりますが、それが頭でわかっていても、その時の丁度いい舵角なんて乗っている本人がわかるはずもありません。
その舵角を腕で作るなんて無理です。
じゃあ、コーナーが上手い人はどうやって適切な舵角を付けているのでしょう?
その答えは、
ハンドルに対して何もしないこと
なのです。
ブレーキ操作やクラッチ操作以外の力は一切加えないことが最も大事なことです。
そうすればハンドルは勝手に丁度いい舵角を付けてくれます。
それがセルフステアなのです。
上手い人ほどハンドルに対して力を加えません。
フリーの状態、ハンドル任せ、好きにやってくれ。
ということなのです。
バイク初心者ほどこれがとても難しいわけなんですね。
「バイクは腕で操作するもの」と思っているうちはこれができません。
「バイクは下半身で操作するもの」ということが理解できてくると自然とセルフステアが身に付いてきます。
まとめ
ここまでセルフステアについて述べてきました。
セルフステアの極意は「何もしないこと」です。
そしてセルフステアをマスターすればコーナーがぐっと上達します。
セルフステアを上手に利用するコツとしては、上半身を少し前傾させ、腕が少し曲がった状態にすると余計な力が入り難くなりますのでお試しいただければと思います。
下に、フォームについての動画も貼っておきますのでよろしければご覧ください。
以上です。
コーナリングでアホみたいに寝かせて走るバイクがコケない理由
こんにちは、閲覧いただきありがとうございます。
今回は、コーナリングするバイクが明らかに横倒しとなっているのにコケない理由を説明したいと思います。
これに関しても同じ内容で動画を配信しているのでリンクを貼っておきます。(内容は全く同じですが、動画の方が遥かに理解しやすいと思います)
バイクというのは、まあ不安定な乗り物です。
そもそも、直立したまま真っ直ぐ走れることが子供のころから不思議でした。バイクが直立できる理由については、この動画をご覧いただくとよくわかると思います。
※直立して走れる理由については、今回の倒してもコケない原理とは別なので混同されないようご注意願います。
<コーナリング中のバイクがコケない理由>
さて、バイクって曲がる時に絶対傾けるじゃないですか。というより傾けないと曲がれないようになっているんですね。その理由、わかりますか?
その理由はバイクにかかる様々な“力”が関係しています。
それを解説します。
めんどくさい計算式などは使いません。
できるだけわかりやすく簡単な言葉で説明していこうと思いますので最後までお付き合いください。
まず、バイクが直進しているときは直立しています。この時、バイクにかかる力を説明します。
まず、バイクとライダーの合計した重量が真っ直ぐ下にかかります。それとまったく同じ力が地面が持ち上げる力です。
「地面が持ち上げる力」というものにピンとこない方もいらっしゃると思いますが、僕たちがこの地球上で生きている以上、常にこの力を受けています。簡単に言うと、固い地面が僕たちの重量に反発して支えていてくれているんですね。
この力が無いと地球上には何も立っていられなくなり、すべてが地中に沈んでしまいます。
重量に対して地面が持ち上げる力が常に同じになることでバイクは地面に沈まないし宙を浮くこともないわけです。
“力”とはこういうもので、二つの力が正反対の方向に同じ強さで作用することでその物体はバランスしています。
<2つ以上の力が方向と強さにおいて互いに打ち消す場合その物体はバランスする>
例えば、とある点にこのような力が加われば・・・
こう動きますよね。
そこで、この点に2つめの力を加えます。
この2つの力は、大きさが等しく方向が逆です。
この場合、点は動きません。
では、このような3つの力をかけるとどうなるでしょう?
はい、これも動きません。
その理由は後ほど説明します。
次に、こうするとどうでしょう?
これは動きますよね。では、どの方向にどれくらい動くかわかりますか?
答えはこうです。
“力”とはおもしろいもので、足し算ができるのです。しかも、強さだけではなく方向も。
その計算方法は、まず2つの力で平行四辺形を作り、その対角線を表すとそれが合計した力となります。
青い線が合計した力です。これを「力の合成」といいます。
この、3つの力を加えている場合も
赤の力と緑の力を合成することで茶色の力となり、これが青の力と反対方向に釣り合っているため点は動かないのです。
さて、力の足し算についてはご理解いただけましたか?
ではこれをバイクのコーナリングに当てはめてみましょう。
<バイクにかかる力>
これはコーナリング中のバイクです。
今、このバイクが“地面にかけている力”を探してみましょう。
一つは重量ですね。
重量は重心から真下にかかる力です。
二つ目は遠心力です。
遠心力は、コーナリング中に外向きに発生する力です。
この2つの力を合成すると・・・
このような青の力となります。
先ほどの図と同じようになりますね。
また、この力はタイヤの接地点に作用しています(重要)。
次に、地面が“バイクにかけている力”はどうでしょうか?
まず1つは地面がバイクを持ち上げる力ですよね。
2つめが
遠心力に反発する力です。
これはタイヤと地面の間で発生する摩擦力であり、タイヤが横滑りしようとするのを支えています。グリップの効くタイヤとはこの摩擦力が強いタイヤのことです。
では、地面がバイクを持ち上げる力と摩擦力を合成します。
このような青の力が生まれます。
ちなみに、この力もタイヤと地面の接地点に作用します。
もうおわかりですね?
青の力同士を比較すると・・・
まったく同じ強さで向きが逆である事がわかります。
バイクが “地面にかけている力” と地面が “バイクにかけている力” が同じ強さで向きが逆なのです。
「2つ以上の力が方向と強さにおいて互いに打ち消す場合その物体はバランスする」
という法則があるため、このバイクは安定しています。
ちなみに、
2つの力は同じ接地点に作用することで互いに打ち消す力となるのですが、これはバイクが傾きながらコーナリングすることで成り立ちます。
もしも、傾けずにコーナリングすると・・・
地面からバイクに対しては
接地点にこういう力が作用しますが・・・
バイクから地面にはこういう力が発生します。
このとき、青の力が作用するのは
ココです。
すなわち、バイクがこの〇の地点まで行こうとするため
こういう悲劇が起こります。
この傾きが必要なんですね。
さて、コーナリングを速くしようとするならば速度を上げるのは当然ですよね。
速度を上げるということは・・・
遠心力も上がるということです。
その結果・・・
合成した力はこうなります。
そしてこうやってコケてしまいます。
コケないためにはどうすればいいのでしょう?
それは・・・
より倒すしかないんですね。
こうすることで力はタイヤと地面の接地点に作用することができます。
ちなみに、低い速度(弱い遠心力)でコーナリングしている時に、必要以上に傾けると
やはりコケてしまいます。
すなわち、コーナリングではその速度(遠心力)に見合う角度で倒さないといけないということです。
<コーナリング時のバイクの角度とは>
さて、こういう状態のバイクで考えますと・・・
ここまで倒すということは、
とてつもない遠心力を受けながら走っているからここまで倒す必要があるわけで、
決して倒しているから速いというわけではないということはもうおわかりですよね。
速くコーナリングするにはバイクを倒さないといけないということはわかりました。
しかし、その角度にも限界があります。
これはバイクのタイヤの絵です。
直進時は垂直状態です。右の3つはコーナリング中のバイクの状態で、速度が上がるとその傾きは大きくなります。
さて、
高速コーナリング中のタイヤの絵を拡大すると、その接地点はタイヤの端ギリギリです。
すなわち、これ以上倒すと・・・
タイヤと地面の摩擦がなくなり(グリップが効かなくなり)スリップしてしまいます。そうでなくてもここまで倒すとバイク本体のどこかが地面に接触します。
つまり、バイクを倒すにしても限界があるのです。
倒す角度に限界があるということは、つまり速度(遠心力)にも限界があるということになるのでしょうか?
<コーナリング速度にも限界があるのか?>
同じ角度でさらに速度を上げる走法があります。
ハングオフ(ハングオン)です。
※「オフ」と「オン」はどちらの言い方でもいいですが、ここでは「オフ」を使います。
ハングオフとは、この画像のようにバイクよりも内側へ体を入れるようにする姿勢です。
お尻もシート上にはなく、体全体がバイクからはみ出す感じです。
まるでバイクにぶら下がるような。
バイクの基本姿勢は、このような「リーンウィズ」というバイクと体が同じ直線上にある姿勢です。
つまり、全体の重心もこの直線上のどこかにあるわけで、バイクにかかる力はこの線に沿ってかかります。
これは、バイク本体だけで見た場合の重心ラインです。
青い線がこのラインを通るので、遠心力はこれが限界でした。↓
ハングオフにするとどうなるでしょうか。
ハングオフはライダーの体を内側に大きくずらすので、重心ラインの角度がこのように変化します。
青い力は重心ラインを通るので
遠心力はこのようになります。
元の重心ラインではこれが遠心力の限界でした。
比較するとこうです。
こうしてバイクの角度による速度の限界を超えているんですね。
<まとめ>
今回の話
をまとめると・・・
「こんなに倒してなぜコケないのか?」というより、
高速でコーナリングすると
「ここまで倒さないとコケてしまう」という方が正しく、
倒す角度にも限界があるから
「重心をずらしてさらに速度を出している」ということです。
※さて、最後に注意事項です。
この原理には「タイヤと路面の摩擦が遠心力に十分耐えうる」という前提が必要です。
市販のタイヤや一般道ではレーサーのような速度、角度で走行しようとしても摩擦力が耐え切れずにスリップしてしまいますので、公道ではマネしないようお願いします。
それでは、今回はこの辺で。
公道デビューする前に~市街地編~
初心者ライダーのみなさん、またはライダー予備軍のみなさん
こんにちは。
さて、バイクの免許とバイク本体、そしてその他諸々の手続きや装備品を揃えたら次はもう公道デビューを残すのみですね。
バイクというのは、免許を取って初めて公道で乗るものです。
そこには、車の仮免と違って助手席でアドバイスしてくれたり、危ない時にブレーキを踏んでくれる教官はいません。また、初心者マークを付けて走るわけでもないので、他者は自分が初心者ライダーとは思ってくれません。
車の免許を持っておらず、バイクで初めて公道デビューする人は「ヌーの群れの中に放り込まれた」ような感覚を覚えるかもしれません。
こちらでは公道デビューする前の予備知識として、主に市街地走行について教習所では教えてくれない危険なポイントを、バイク目線で紹介しています。
<車線変更>
車線変更って、バイクの教習では本格的にやらないと思います。
特に、他車がビュンビュン走っている中で、その流れに乗りながら隣の列に入っていこうとするなんて教習所では実施不可能です。なので公道初心者にとっては結構ハイレベルな課題だったりします。
基本的には、用事がないなら左車線を走っていればいいのですが、どうしても右折しなければならない時は、以下のことに注意してください。
①十分に長い直線で行う。
②ウィンカーを出す前に側方、後方の確認をする。
③安全が確認できてからウィンカーを出す。
④前方を確認して移動する車線の先にも十分な距離があることを確認する。
⑤もう一度側方と後方を確認する。
⑥安全であれば速やかに移動する。
車線変更では、ざっと書いただけでもこれだけの動作が伴います。
時々、ウィンカーを出しながら車線変更する人が居ますが、これは道交法違反です。ウィンカーを出してから3秒以上経過してから車線変更しなければいけませんが、前方、側方、後方の再確認をすれば自然と3秒は経ちますので落ち着いて運転しましょう。
また、⑥に「速やかに」と書きましたが、ラインを踏みながらじわじわと車線を移るのはよくありません。移るときはスパッと移りましょう。
<車間距離>
「車間距離を空けましょう」というのは皆が言うことです。誰もがそういうので大切なことだとわかってはいるでしょう。しかし、それって「ECOは大事」のように、その本質を誰もが理解しているわけではないのに文句だけが合言葉のようになっていませんか?
「車間距離を空けましょう」という言葉ほど、実際に車間距離が短い時にそれに起因するような「危ない目」に遭わなければ実感できないものはないと思います。
一般的には、「前車の急ブレーキに対応できる距離を空ける」ことが主な目的とされていますが、僕の方からは違った視点で「車間距離の大切さ」をお伝えしたいと思います。
まずはこちらをご覧ください。
これは交差点の手前の状況です。前方のトラックに隠れて何かが見えません。
そうです。信号です。
昔トラックの後ろを走っていた時、車間距離を空けていなかったために信号が見えておらず、交差点の手前10mくらいで信号が視界に入ってきた瞬間には既に赤信号でした。その時はパニックブレーキで後輪がロックし長いタイヤ痕を残しながら交差点中央付近で止まりました。幸いにも左右から車は来ていなかったので無事ではありましたが完全に信号無視です。
さらにはこんなことも。(↓イメージ画像)
下手くそな合成画像で申し訳ありませんがわかりますか?
道のど真ん中からパイプが現れたのです。
これに関しては動画の中でも紹介しています。
これはトラックが通過した後に目の前に鉄パイプらしきものが現れたという実体験です。当時はもうこれを回避できるような距離と速度ではありませんでしたので、転倒覚悟でただ真っ直ぐにしていようと思いました。いざこのパイプを踏むと、それはどうやらロール状の紙だったというオチが付きます。しかし、これも車間距離の大切さを学ぶ体験となりました。トラックに限らず、前車が軽四であろうとこういうことは起こるので注意です。
車間距離の大切さが少しでも伝わるといいなと思います。
<二輪車用レーン>
二輪車用レーンって結構レアな存在だと思いますが、皆さんの街にはありますか?
こういうレーンです。
いかにも自転車やバイクの安全が保障されたような特別なレーンです。
僕は基本的にこのレーンを走りません。なぜなら、ここには落とし穴がたくさんあるからです。
まず一つ目
自転車の逆走です。
ご存知の通り自転車も通っていいのですが、左側通行をしなければならないのでこれは逆走です。また、うっすらと路側帯が見えますが、ここを走ったって何も正当化はできません。
まあ、免許を持っていない人はこういう自殺行為をしてきますから二輪車用レーンだからといって油断はしないようにしましょう。
二つ目
左折する車が居るということ。当然ですよね。この時、車は左後方からバイクや自転車が来ないことを確認しないといけませんが、バイクに乗る側はそれを信用してはいけません。いつ目の前に車が入ってくるかわからない状況であることを自覚しておきましょう。
三つ目
僕が最も危ないと思う落とし穴です。
簡単には車道に戻れないんですね。
そもそも、車の交通量が多いからわざわざ二輪車用レーンがあるわけで、そんな中に初心者ライダーが割り込んで戻ることは至難の業と思えるかもしれません。
これなら最初から車道に居た方が安心だと思うのです。
二輪車用レーンは決してバイクにとって快適な専用レーンだと思わないようにしましょう。
<細い道>
"細い道"などという曖昧な表現で申し訳ないのですが、車がすれ違うにはちょっと狭いような道です。
こういう道って、バイクなら車幅も狭いし有利な気がしますよね?
でもやっぱり公道は公道。他車、他者による危険なポイントはたくさんあります。
上の画像の道はとある河川敷の土手沿いです。
車幅の狭いバイクならではの他車からの扱いが下の画像です。
わかりますか?
黒の軽四とすれ違うシーンですが、自分はもう白線の上まで左に寄っています。
この軽四がなかなかの速度を出していて危なかったものですから自分が左に回避しています。車からしてみれば車幅の狭いバイクなんてぶつかるわけもなく、まるでそこには誰も居ないかのようにすれ違ってきますがこちらからしてみれば大きな物体が道の半分以上を占拠しながら向かってくるわけですから恐怖を感じます。
また、こういう道は無法地帯になりやすく、
このように歩行者が堂々と車道の真ん中を歩くという状況もよくあります。
他にも
自転車が右側を走っていたり。
道交法に疎い小中学生や高校生、高齢者が通行してることが多く、本当によく注意して走行することが大事です。
<最後に>
最後に、僕の個人的な考えをご紹介しましょう。
賛否が分かれるので、あなたならどう感じるか考えながら見ていただければとおもいます。
下の画像は、信号待ちの列に自分が並んでいる場面です。
動画の中でもよくご指摘をいただくのです。「左に寄り過ぎていないか?」と。
実は、これは意図的に左に寄せて止まっているのです。(走行中は真ん中寄りです)
その理由は、↓これが怖いから。
もし、前後がトラックならこうです。
怖くないですか?
なので
こういう回避ができるように左寄りで停車しています。
仮に、右に避けるとしたら・・・
こういう事態も起こり得ましょう。
あなたならどうしますか?
では。